スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

スペイン語の次は韓国語

新型コロナウィルスが猛威を振るっていた間、私は政府が望む模範生徒のように遊び歩きもせずに家でNETFLIXに溺れていた。

スペイン語圏のドラマや映画などを観ることで少しはスペイン語を勉強しています風な言い訳を自分にすることが出来るので罪悪感なくドラマ漬けの日々を送ることができたのだ。

しかし、スペイン語のドラマも映画も限界がある。スペイン語だからといって興味のないジャンルにはどうにも手が伸びないし、面白くないものを最後まで見る気力もない。

 

その頃、巷ではNETFLIXオリジナルの韓国ドラマ「愛の不時着」なるものが大ヒットしており、NETFLIXを開くたび「お勧め」だの「今週のTOP10」だのとやたらとゴリ押しされていた。しかし私は過去に何度か訪れた韓流ブームとやらに一切乗らずに生きていたので今回もスルーする予定だった。

誤解がないように言っておきたいのだが、ブームにこそ乗ってこなかったが韓国ドラマが嫌いだった訳ではない。BSで放映される昼の韓国ドラマは何度も見ていたし、「パラサイト」だって映画館で見たぐらいだ。

ではなぜ「愛の不時着」をスルーしようと思ったかと言うと、「愛の不時着」から放たれる強烈な何かが私に「これを観たら最後。底なし沼にまっしぐら」と危険信号をビービー鳴らしていたのだ。

興味本位などで手を出してはいけない危険な香りがプンプンする。

そのうち「今週のTOP10」から消えてゆくだろうと甘く考えていたのだが何か月も消えることはなく、とうとう私はその禁断の果実に噛り付いてしまったのだった。

 

結論を言うと「愛の不時着」は一話目から格段に面白かった。

意地を張っていた私がバカに見える程、面白かった。

そして私はあっとゆーまに韓国沼へ一気に落ちていったのだ。

 

遅れてやって来た私の韓流ブームの波は凄まじかった。何事も年をとってから始めることは年をとればとるほど厄介になっていく気がする。ヤンキーも「高校デビュー」の方がたちが悪いのと一緒だ。

気付くと私は「愛の不時着」を見た2020年の冬から2022年6月現在までの間に韓国ドラマだけで70本以上見ていたのだ。(韓国映画は30本) どんだけ暇なんだ。

いくら世の中が正常ではない時代だとしても、これだけ膨大な時間をNETFLIXに費やしていることに多少の危機感を覚えた私は次のステップへ旅立つことにした。

「韓国語の習得」だ。

正直初めは韓国語を勉強する気はなかった。勉強しなくてもこれだけの時間韓国語のドラマや映画を見ているとお決まりのフレーズや簡単な挨拶など勉強しなくても頭に入ってくるものである。日本語と似ている発音の単語なども多いため字幕と同時に聞いていると何となく「あ、今こう言ったんじゃない?」なんて思う事が増えてくるのだ。

しかし、当たり前の話だがハングル文字はどんなにドラマを見てもまったく読めるようにはならない。

中国語のように漢字を使っているならまだしも〇だの□だのまるで象形文字のようにちんぷんかんぷんだ。

そんな時知り合いが「ハングル文字にはルールがあるので、ルールさえ覚えれば誰でも読めるんだってよ!」などとにわかには信じられない事を言ってきたのだ!

「おぬし、それは誠か?誠なのか?」そんなことを聞いてしまったら確かめてみたくなるではないか!

という事で私は早速ネットで「ハングル、ルール」などと検索し、読み漁った。そして実際一週間ぐらいで何となく基本のハングル文字を読むことが出来るようになっていたのだ!この最初の成功体験のお陰で勉強が楽しくなり、その後はどんどん韓国語勉強にのめりこむことになるのである。

 

(しかし、この時点で読めるようになったのは基本中の基本、日本語でいう所の「あいうえお」であって、その後知ることになる文字の組み合わせによって生じる様々なルールを覚えるのはまた全く別次元の話だったのだが・・)