スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン。私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

オープン・ユア・アイズ/ Abre los ojos

スペイン映画の中で私が特に好きな映画が「オープン・ユア・アイズ」だ。

後にトム・クルーズ主演でリメイクされた「バニラ・スカイ」のオリジナル版。20年も前の映画だが、今でも初めて見た時の衝撃は忘れられない。

 

「オープン・ユア・アイズ」 原題 Abre los ojos

監督 アレハンドロ・アメナバル

出演 エドゥアルド・ノリエガペネロペ・クルス、ナイワ・ニムリ

公開 スペイン1997年 (日本公開 1999年)

 

※ネタばれなし

 

バニラ・スカイ」しか見ていない人には是非スペイン版のオリジナルを見て頂きたい。

私からすると「バニラ・スカイ」は若干手緩い。オリジナルを先に見て衝撃を受けた身にはトム君版はいささか軽く感じるのは否めない。映像も明るいし初めから終わりまで「ペネロペ愛」がダダ洩れ。トム君がペネロペに惚れてリメイクしただけのことはある。オリジナルの方が暗~い映像でおどろおどろしく、バッドエンド感が満載。見終わった後にはバッドへ向かった分岐点を確認したくなってもう一度見直したくなる見事な出来。

スペイン映画史に残るであろう冒頭の誰もいないグランビア通りのシーン。

首都マドリードのど真ん中、カジャオ駅周辺のグランビア通りに人っ子一人いないシーンは圧巻。(褒めすぎている気もするが、それだけ私の中では衝撃的だった)

リメイク版ではN.Yのど真ん中タイムズスクエアにトム君が立ちつくしており、タイムズスクエアのスペイン版はグランビアなのだなと改めて認識した次第であります。

 

初めてこの映画を見たとき、主演のエドゥアルド・ノリエガの独特な顔がなかなか受け入れられなかったのだが、見慣れてくるとなかなかカッコイイ。同じアレハンドロ・アメナバル監督の「テシス」でデビューしブレイク、「オープン・ユア・アイズ」で一躍トップスターになったそうだ。(この「テシス」もとても面白い。怖いサスペンス映画なので面白いと表現するのはどーかと思うが、ほかに表現方法が見つからない。サスペンス系が好きな方は是非どうぞ) 

 

ヒロインのペネロペ・クルスはもう説明する必要もない。スペイン映画界からハリウッド進出しスペイン人女優で一番有名なハリウッドスターとなった。

ハリウッドなぞに行くと「スペインを捨てた」だのなんだのとやっかみひがみが出るのが世の常だが、ペネロペの場合はスペイン映画にも出続けたことと、数々の浮名を流したものの最後は同郷のスペイン人俳優のハビエル・バルデムと結婚したことでスペイン人たちのハートをグッと繋ぎ止めた。

ハビエル・バルデムと共演した「それでも恋するバルセロナ」ではアカデミー助演女優賞を受賞。

 

ヌリア役のナイワ・ニムリ(スペインではNajwaナジュワと呼んでいたので日本語表記の名前に違和感を覚えるので以下よりナジュワと表記させていただく)の顔はこの映画で強烈な印象を残す。物語の後半で一瞬だけ出てくる彼女の顔は恐怖でしかない。(凄く綺麗なんだけどね) 

ナジュワは女優であり歌手でもある。実は私、マドリードに住んでいた時代に何度か彼女と話したことがあるのだ!(自慢) 働いていたお店に何度かお客として来たのだが、たまたまお店に彼女のCDが置いてあったのでサインをしてもらった。日本人の店に自分のCDがあることにナジュワは上機嫌になり結構長い時間店に滞在してくれた。豪快なねぇちゃん気質で、日本人でいうと「土屋アンナ」って感じだった。

「オープン・ユア・アイズ」以降も様々な映画で活躍し、最近では全世界で大ヒットしているNetflixのドラマ「ペーパーハウス」に出演!(シーズン3より登場) 妊婦姿でチュッパチャップスを咥えるその姿は相変わらず妖艶で美しい。

 

リメイク版でのヌリア役はキャメロン・ディアス

はっきり言ってバニラ・スカイで一番良かったのがこのキャメロンの怪演!狂気じみた笑顔が怖かった!

ヌリア役はオリジナル版よりリメイク版の方が出番も多い(キャメロンだから?)し、狂気度が増している。

 

オリジナルの方が断然いいと言って書き出したが、色々思い出すうちにバニラ・スカイも捨てたもんじゃないかもしれないと思い直してきた。

興味のある人は是非両方の作品を見比べてみてください。