スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

2021-01-01から1年間の記事一覧

いつか

やらないとわかっているが、やってみたいなと思うことがある。 それはカミ-ノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼)だ! スペイン北西部にある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の旅。 私はキリスト教ではないけれど、それぞれの事情を抱え…

言霊

「ロト6当たらないかなぁ~」と、声に出して言ってみる。 「いや、絶対いつか当たる!」とも言ってみる。 言葉にすると現実になりそうな気がするので、とりあえず現実になって欲しいことは言ってみることにしている。 何故ならば、「言ってみるものだな」と…

2019年、夏

日本に完全帰国してからも年一回はスペインへ行っていたのだが、コロナのせいでここ2年スペインに行けていない。最後にスペインに行ったのは世界中が大騒ぎになる前の2019年の夏だ。 私が今働いている会社は夏より冬の休みが長いのでいつもは年末にスペイン…

商売魂

私はほんの少しだけ韓国語を知っている。 「話せる」わけではない。 物を売る時に必要な最低限の韓国語の単語を知っているだけだ。 私がマドリードで働いていた店はアジア圏の観光グループがたくさん買い物に来ていたので必然的に覚えざるを得なかったのだ。…

駄菓子

駄菓子屋というものは日本だけのものかと思っていたが、スペインにも似たようなものが存在する。何を持って日本だけの風景だと思い込んでいたのかはわからないが、スペインでも子供が小銭を握りしめて駄菓子を買うという事を知った時はなんだか妙に親近感が…

バカシオネス

8月のマドリードは閑散としている。なぜなら皆マドリードを脱出して夏の休暇へと旅立ってしまうからだ。 スペインの会社では大抵7月または8月に約一ヶ月の休暇が与えられる。海などの夏に人気の観光地以外のバルや商店などでは二週間から一ヶ月の休暇を取り…

揺れる床

日本でスペインでの生活などを友達に話す時、口にするのが恥ずかしくなる単語がある。「Discotecaディスコテカ」だ。 「ディスコ」の響きがやけに古めかしく、気恥ずかしさがこみ上げる。 40歳を過ぎた私ですら音楽に合わせて踊る場所というものはもう既に「…

笑いの威力

スペイン人はよくジョークを言うのだが、初めは全く理解できず苦戦した。 スペイン人は自分が面白いジョークを飛ばしたのに目の前の人がクスリともしない状況が耐えられないらしく、私がわかるまで説明してくるのだが、説明されている時点でもう笑えない。簡…

スペイン人はたまに「どうでもいい嘘」をつく。 スペイン人の名誉のために言っておくが、スペイン人全員が嘘をつくわけではない。 ただ、スペインで暮らした10年間で私はそれはもうたくさんの「どうでもいい嘘」と出会ってきたのだ。 笑って許せるレベルから…

挨拶

日本食レストランで働いていた頃、日本語を習っている常連さんがいた。いつもはお昼のランチを食べにやってくる昼の常連さんなのだが、その日は珍しくお友達を連れて夜のレストランへやって来た。 予約表に名前があったのでドアの前で来店を待っていると、 …

ニオイの記憶

スペイン人は香水が大好きだ。 みんなプンプン香水の香りを振りまきながら歩いている。気づかない程度につけるなんてことはしない。香水なんだから匂ってなんぼと言わんばかりに豪快に匂いを振りまくのだ。したがって、残り香だけで誰が居たかがわかったりす…

距離感

スペインで暮らしている頃「なぜスペインに来たのか?」と現地の人に聞かれることが何度かあった。まさに「Youはなにしに?」だ。TV番組を見てる分には楽しいが、質問される側になると面倒くさい。 スペイン人にとって「家族も知り合いもいない土地になぜ独…

レインボーカラーの書店と一人芝居

マドリードでは毎年この時期にLGBTのプライド祭りがある。スペインは同性婚が認められている数少ない国の一つであり、マドリードの祭りはその界隈ではとても有名だ。 私がマドリードで最初に働いた店はLGBTの人々が多く集まることで有名な地域だったのだが、…

姑という名の魔女

結婚には至らなかったので厳密には姑と呼べないが、それらしい人物が私の人生でも登場したことがある。 スペイン人の彼のお母さんだ。一般的にスペイン男性はマザコンだと有名だが、私の彼も例外に漏れずマザコンだった。そして彼のお母さんは私にとって最強…

散歩と尾行

私の人生で歩くという行為は行きたい所へ向かうための手段であって目的になることはなかったのだが、スペインに行きその感覚はずいぶん変わった。 日本にいた時はとにかく目的地に最短距離で行けるルートを検索し、必要とあらばタクシーまで駆使して極力歩か…

砂糖と11歳の誓い

私はコーヒーにミルクは入れるが砂糖は入れない派だ。 11歳の時にコーヒーに入れるのはミルクか砂糖のどちらか一つに決めなければならないとなぜか思い立ち、ミルクを選択したのだ。今思い返しても何故あの時ミルクか砂糖かの二択を自分に突きつけたのかまる…

占いとふたご座の男

日本人なら大抵の人が各血液型についてなんらかのイメージを抱いていると思うが、スペイン人は自分の血液型を知らない人がたくさんいるので血液型占いなんてものが存在しない。 したがって、スペインでは病院以外の場所で血液型が話題に上がることがあまりな…

コーンスープ

日本以外の国ではなかなか食べることが出来ない食べ物というものがいくつか存在するが、世界的な日本食ブームのおかげでスペインでも大抵の日本食は手に入るようになった。 しかし、思いもよらない物が手に入らなかったりすることがある。 ある日私はスペイ…

ハイスペックG

語学学校の先生とG(ゴ〇ブ〇)の話になったのでGへの憎悪を熱く語ったのだが、いまいち共感を得なかったのでここに書き留めてみる。 ある日の授業中、Gの話題になった。 Gはスペイン語でCucaracha クカラチャ。(スペイン語にするとスペルの最初の文字がGでは…

シャナドゥー

マドリードの南西の郊外にシャナドゥーという名の巨大ショッピングモールがある。 スペインのショッピングモールというものは良くも悪くも、どの地域でもなんら代わり映えしない代物が多いのだが、シャナドゥーには決定的な違いがある。 それは「人工スキー…

ヘルメット

私がその昔マドリードで働いていたお店は経営者が日本人女性だったこともあり、主に日本やアメリカから輸入した洋服雑貨を販売していた。 数ある商品の中でも特に目を引いたのは日本製のヘルメットだ。 洋服雑貨店でヘルメットを売るという斬新な発想と、ス…

青春のファミレス

ファミレスには学生時代とてもよくお世話になった。 授業をさぼって時間をつぶしたり、始発まで粘ったり、深夜のデニーズで安室奈美恵を発見したり(顔が超絶小さかった) 青春と言えばファミレス!ファミレスと言えば青春だ。 だらだらとした時間を過ごすのに…

運転免許

突然だが、私は車の運転ができない。 私には前を見て左右を確認して何なら後ろまで気を配りながら車を運転するという能力が備わっているとは思えないのだ。したがって免許が取れる年齢になっても免許を取ろうとは思わなかった。 車を運転したことがないので…

17本のタバコ

あれは2007年にドイツへ旅行に行った時の事。 タバコを買って開けた時、何とも言えない違和感を覚えた。よくよく見てみると中が若干スカッとしているではないか。 あれ?今外側のフィルムを取って開けたばかりなのに、なぜ? 開けたそばから誰かに二三本抜き…

8月のダウンジャケットとピホ 

季節の変わり目の頃のスペイン人の服装は三者三様である。厚手のコートを着ている人もいればタンクトップの人もいる。人々の服装だけで季節を知ろうとするのは難しい。 マドリードは一日の中でも寒暖の差が激しいので一日を通して同じ服装でいることが難しい…

リスボンと衝撃のパン

スペインのお隣のポルトガル。 同じイベリア半島に同居しているだけあって距離的にも文化的にもスペインとかなり近い。言語はポルトガル語だが大抵の人はスペイン語を理解してくれるのでとても旅行しやすい。 今までに3回リスボンに行ったが、初リスボンは20…

長距離バスと不躾な視線

セビージャに住んでいる頃、友達と長距離バスでマドリードへ遊びに行った。セビージャからマドリードまではスペイン版新幹線のAVEを使えば2時間半であっとゆー間に着くが料金が高い。当時貧乏学生だった私たちには金はないが時間だけはたっぷりあったので6時…

Hospital de día/デイホスピタル

スペインでの入院模様は以前ブログで書いたが、今回は退院後に通ったデイホスピタルでの出来事について。 突然の入院と同じく、退院も突然だった。 入院から二週間でやっと病名が判明し、治療が始まった矢先の退院。まだまだ痛みもあるので退院はまだ先だと…

サイン/ Firma

子供の頃、秘密裏にサインを練習していた。 だれかに求められたわけでも芸能人になりたかったわけでもないが、何となくかっこいいサインが書きたかったのだ。しかし苗字と名前の漢字のバランスがサインに適さないのか何度挑戦しても自分の思い描くサインには…

カフェ・フローリアン/in ヴェネツィア

スペインが大好きな私だが、イタリアも好きな国の一つだ。イタリア料理ははずれがないし、イタリア語の独特なイントネーションは耳心地が良い。 なんといっても私はBSで放送している「小さな村の物語イタリア」の大ファンなのだ。 しかし、イタリアには一度…