変化する名前
ヨーロッパでは各言語によって人名が変化するというややこしい事態が起こる。
例えば「ヘレン、へレーナ、エレ-ヌ、ヘレナ、エレナ」は全て元は同じ。
国によって呼び方が変わるのだ。
語学学校で「王室について」のディスカッションの時、皆が「カルロス」と口にするので、てっきりスペイン王室について話しているのだと思っていた。
(当時のスペイン国王はフアン・カルロス1世)
しかし、「カルロスとカミラがどうたらこうたら」と言っている。
何?カミラはスペイン国王ともなにか関係があるのか?
そんなこと聞いた事もないぞ!本当だとしたらなんという女だ!
と一人で勝手にびっくりしていたのだが、どうもよくよく聞いてみると皆が言っている「カルロス」は私が知っている「チャールズ」皇太子のことだった!
「チャールズ」=「カルロス」
人の名前の呼び方を勝手に変える衝撃。
イギリス王室でまとめるとこうなる
「エリザベス」は「イサベル」
「チャールズ」は「カルロス」
「ダイアナ」は「ディアナ」
「ウィリアム」は「ギジェルモ」
「ヘンリー」は「エンリケ」
(因みにカミラはカミラだった)
王子たちの名前は特に驚きだ。
ウィリアムがギジェルモって!ヘンリーがエンリケって!
だいたい「エンリケ」なんて場末のバルで飲んだくれてる親父の名前にしか聞こえない。(すいません。完全に私の偏見です)
日本にはない感覚で戸惑いを覚える。
大好きなアメリカのロックバンド「レッドホットチリペッパーズ」がマドリードに来るというのでコンサートに行った時のこと。
マドリードの大きな会場は満員で大いに盛り上がっていた。
しかし、よく聞いてみると「アントニオー!」と皆が叫んでいる。
レッチリのメンバーの他に地元の人がパーカッションかなにかで参加しているのかな?と思ったが、メンバー以外にそれといった人が見当たらない。
一緒に来ていたスペイン人に「アントニオって誰?何者?」と聞いたら
「アントニオ知らないの?レッチリ好きって言ってなかったけ?アントニオも知らないでレッチリ好きなんて言ったらだめだよ」とあきれられた。
そして衝撃の一言を私に放ったのである。
「アントニオはボーカルの人だよ」
なななんと、アンソニーのことをアントニオと皆呼んでいるのである。
アントニオなんて呼ばないで欲しい。アンソニーはアンソニーだ。
勝手に呼び名を変えないでほしい。
じゃあなにか、キャンディキャンディのアンソニーもスペインではアントニオなのか?
酷いじゃないか。
私にとってアンソニーとアントニオではイメージがずいぶん違うのだ。
スペインにいるからと言ってアンソニーをアントニオなんて呼べるわけがないのだ。
「アンソニー=アントニオ」問題は
「チャールズ=カルロス」に続く衝撃的な出来事だった。
因みに、衝撃度でいうと「ウードス」もかなりのハイレベルだと思う。
一体何のことかわかるだろうか?
ウド?ウド鈴木?
残念ながらウドちゃんのことではない。
ここまでくると笑うしかない。
もう!なんだよ「ウードスって!(笑)」