スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン。私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

スペインがひとつになった日 2008年ユーロカップ

2008年のユーロカップ、スペインは順調に予選グループを一位で通過してトーナメント進出。しかし、トーナメント一回戦の相手は長年なかなか公式戦で勝てない因縁の相手イタリア。

口では「イタリアなんかに負けない」「今度こそ勝つ!」などと言っているものの、心の中では「ここまでかぁ」と大半の人が思っていたと思う。

なぜならその頃のスペインと言えば、

 

元来、国内にレベルの高いリーガ・エスパニョーラを擁し、ワールドカップにも1978年大会年以来連続出場を続けるなど、歴史的に世界でも強豪国の一つとみなされてきた。しかし、レベルが高く熱狂的な国内リーグを持つがゆえに、国民は地元クラブなど支持するクラブへの忠誠心が強く、代表チームに対する国民からの人気はそれほど高くはない。ワールドカップでは、1950年大会で4位になった以外は長らく8強が最高成績であり、「永遠の優勝候補」、「勝てない強豪」などと揶揄された時期もあった。

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「永遠の優勝候補」だの「勝てない強豪」とは酷い言い草だ!

しかし、みんな「代表戦になるとダメなんだよなぁ」と思っていたのは事実だ。

したがってこの時も「せっかく調子がいいのによりによってこんなに早くイタリアに当たるとは」と運の悪さを嘆いていたのだ。

 

そして運命のイタリア戦。意外にもいい勝負を繰り広げるスペインだがなかなか決まらない。

手に汗握る展開で試合はとうとう0-0のままPK戦へ。

もうここまで来ると「もしかしたら行けるかも?」と期待も大きくなる。

それにしてもPK戦ほど心臓に悪いものはない。昔好きだった人が大事な試合でPKを外すのを目の前で見て以来落ち着いて見ることができないのだ。

息をのむPK合戦カシージャスのスーパーセーブのお陰でスペインの勝利!

この瞬間みんなで抱き合い叫びあい大騒ぎ。しかもこの騒ぎはいたる所から聞こえる。隣の家も上の階の人もみんな「うぉぉぉぉぉぉー!!!」と喜びの雄たけびをあげているではないか!

もう喜びすぎて家にいられない!とみんなで外に繰り出すと、考えていることはみんな同じなのか続々とみな外へ集まり出す。走っている車はクラクションを鳴らし、広場では興奮した人たちが噴水に入ったりと街中お祭り騒ぎだ。

まだ優勝していないのにこの騒ぎ。それだけイタリアに勝つというのはスペイン人にとって長年の夢だったようだ。

 

準決勝の相手はロシア。ロシアにはグループリーグで既に勝っていたため、応援するスペイン人たちには余裕があった。それでも、代表戦で勝てない歴史が長かったので心の片隅には一抹の不安。しかし結果は3-0で勝ちスペイン国民のボルテージは益々上がる。

 

そして待ちに待った決勝戦。相手はドイツ。

「ここまできたけど、まさか、もしかして、スペイン優勝しちゃう?!」という期待の中始まった試合はみんなのEl niñoトーレスが点を決め勝利。

ティキタカ・ティキタカと連呼している間にスペインがとうとうナンバーワンになったのだ!

街中の人たちが「Yo soy español,español,español」私はスペイン人!と叫びながら大騒ぎする光景は未だに忘れられない。

スペイン人はみな地元意識が高いため、スペイン人とは言わずマドリード人だの、カタラン人だのと名乗るのが当たり前で、スペイン人と言うと中には怒る人もいたほどだったのに、この瞬間はみながスペイン人であることに誇りを持ち、どの地方であってもスペインという一つの国の民族なんだとみんながまとまった。

スペイン人凄いだろう!スペイン人でよかったぜ!みたいな自信満々な顔で、あたかも自分が試合で勝ったかのように誇らしげに「Yo soy español,español,español」と歌っている人々を見て私は心底羨ましかった。

スペイン人じゃないですけど一緒に盛り上がっていいですか?と一歩下がって眺めいると「お前もこい!」と呼ばれみんなの輪に入り一緒に歌う。

この瞬間にスペインに居れたこと、この瞬間をここで味わえたことが凄くうれしかった。

スペインがひとつになったこのユーロカップの優勝。忘れられない瞬間だ。

 

この二年後のワールドカップでもスペインは見事初優勝し本当に世界一になった。

2010年のワールドカップについては、またいつか書きます。(予定は未定)