スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

ボカディージョ

スペインで定番の食べ物ボカディージョ(バケットに具を挟んだスペイン版のサンドイッチのようなもの)

この具について毎回「シンプルすぎじゃね?」と思っていた。

私にとってバケットに挟むタイプのサンドイッチと言えば、サブウェイだった。したがってスペインでボカディージョを食べに連れて行ってもらった時サブウェイのあのサラダたっぷりのサンドイッチを想像していたのでびっくりした。

スペインのボカディージョにはまず生野菜なんて入っていない。

具は一種類から二種類が主流だ。

例えば、生ハムのボカディージョの場合、本当にみごとに生ハムしか入っていないことが多い。

バケットを切って生ハムを入れるだけ。本当にそれだけ。

生ハムがチョリソーになり、ベーコンになり、豚ロースになっても同じだ。

そして具が二種類の場合は大抵肉プラスチーズの組み合わせとなる。

 

ケチャップ、マヨネーズ、ソースなどの調味料を加えることはない。

パンと具の素材の味のみで勝負だ。本当にシンプルなサンドイッチだ。

サンドイッチと思うから納得いかないが、おにぎりだと思えばいいのかもしれない。

おにぎりも具は大抵一種類だ。人の心を掴むのに具材の多さなんて関係ないのだ。

 

 

そしてマドリードにはみんな大好きB級グルメボカディージョ・デ・カラマレス」というイカリングフライのボカディージョがある!初めて見た時は驚いた。

バケットにこれでもかとイカリングがただただ挟んであるのである。しかしこれがとても美味しいのだ!低価格なのにボリュームたっぷり!これぞB級グルメマドリードに行ったら是非食べていただきたい!

 

みんな大好きボカディージョだが、一つ気がかりなことがある。

それは私が知りうるだけでも何名かが流血被害にあっているということだ。

ボカディージョと流血。

なかなかミスマッチな組み合わせだが、どういうことかというと硬いバケットが上あごを傷つけ血が出るというのだ。

ボカディージョ美味しいけど、血が出るんだようなぁ」とため息をつきながらメニューを見つめる友だち。

なんてかわいそうなのだろうか。

私の上あごは丈夫なので流血被害にあったことはないのだが、繊細な彼女の上あごは上手に食べないと流血するというのだ。

 

日本人が火傷をしてでも熱いうちにたこ焼きが食べたいと思うように、スペイン人にとっては流血してでもボカディージョ食べたいのだ。

 

流血の心配なく食べる方法をスペイン人に教えてもらったので紹介しておく。

今後の人生でどのくらいこの情報が役に立つかわからないが、知っていて損はない。

 

私の友だちの食べ方はバケットをひっくり返すというやり方だ。

バケットを置いた時に下に着く部分を上にして食べるのだ。下の部分は上の部分に比べると滑らかというか鋭くない。こうやって食べると上あごは切れない!と自信満々に語られたが助言の通りに逆さにして食べたら舌が傷ついて痛かった。いまいちである。

 

もう一人の友だちの食べ方はとにかく食べる前に潰すというやり方だ。

見た目は無残だが、潰せばバケットは武器にならないという。しかも大きな口を一杯に開けて頬張らなくてもいいから食べやすいとのこと。確かに一理ある。

 

流血を回避したいのであれば是非お試しください。