スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

SAYONARA, BABY

以前のブログ「変化する名前」で有名人の名前のスペイン語読みバージョンについての苦言を呈したが、

 

tokiotamaki.hatenablog.com

 

映画のタイトルもスペイン語版があったりする。

映画のタイトルは日本の邦題もかなり原題を無視した題名をつけるので、大きな声でスペインを批判できないのだが、言いたいので言っておく。

La jungla de cristal 直訳すると「クリスタルのジャングル」

スペイン語読みだと

「ラ フングラ デ クリスタル」となる。

このおかしなスペイン語の題名のせいでなんの映画か全くわからず、「あんなに有名な映画を見ていないのか!」とあきれられたが、

これ実は「ダイハード」のことなのである。

わからない。わからない。

なぜ「ダイハード」が「フングラ」になるのだ。

例えば、スターウォーズスペイン語版だと「La guerra de las galaxias

銀河戦争という意味なので

銀河戦争?あ~スターウォーズね」と何となく想像がつくから許せるが、「クリスタルのジャングル」からダイハードは出てこない。

しかもジャングルのスペイン語「フングラ」が何故か私のツボにはまり「フングラ」「フングラ」と頭の中で反復する。

 

映画で思い出したが、ターミネーター2の有名なセリフ「Hasta la vista, baby」はスペイン語だ。

日本語訳では戸田奈津子さんが大胆に「地獄で会おうぜ、ベイビー」と意訳している。

地獄なんて一言も言ってないのに地獄。

オリジナルを超えるインパクトを与えている。

では、スペイン語バージョンはどうなっているのか?

スペイン語吹替えバージョンはこのあえてスペイン語部分を「さよなら、ベイビー」と吹替えしたのだ!

あのシュワちゃんの声(吹替えの声だけど)で放たれる「SAYONARA, BABY」はとても味わい深い。

「地獄で会おうぜ、ベイビー」には負けるが「SAYONARA, BABY」もスペイン人に与えたインパクトはかなり強い。

 

初めの頃は「SAYONARA, BABY」がターミネーターの台詞だとは知らなかったので、なぜ多くのスペイン人がSAYONARAの後にBABYを付けて言うのかわからなかった。

「なんでいつもSAYONARAの後にBABYを付けて言うの?」と聞いてみると

ターミネーター見たことないの?有名な台詞じゃん」と言ってくる。

さよならなんていう台詞なんてあったかしら?と疑問を抱きながら一緒にターミネーターを見直すと出てきました

「SAYONARA, BABY」!!よっ!待ってました!

「オリジナルではSAYONARA, BABYなんて言ってないんだよ!知ってた?」と聞いてみると

「えーー!えーー!そーなの?じゃあなんて言っているの?」とびっくり仰天している。

昔からスペイン語吹替えでしかターミネーターを見ていない人は「SAYONARA, BABY」はオリジナルのセリフだと信じて疑いもしないことだったようだ。

「Hasta la vista, babyと言っているのだよbaby」と得意げに教えてあげると予想通り

シュワちゃんが?」「スペイン語で!?」と驚いてくれたのだが、すぐに真顔に戻り

「でもSAYONARA, BABYの方がしっくりくるしかっこいいよね」

とオリジナルを完全スルー。

私が自慢げに披露したトリビアを全くなかったことにされた。

関心がなくなった時のスペイン人の反応はとても冷酷だ。

 

因みにHasta la vistaは「またね」と訳したりするが、スペインではあまり使わない。

なぜならHasta la vistaは次に会うのがいつかわからない時に使うべき言葉だからだ。

「(いつか)また逢う日まで!」と訳したほうが正しい。

「またね!」と言いたいときはHasta luegoアスタ ルエゴを使いましょう!

では、SAYONARA, BABY!