シャンプー
スペインではシャンプーの品揃えがリンス・コンディショナーの品揃えより多い。
その為シャンプーは売っているのに、リンスが売っていないなんてことがよく起こる。
スーパーなどで売っている値段の安いオリジナルブランドはシャンプーのみの販売で、どこを探してもリンスが見当たらない。
そのくせ、シャンプーの種類は「ストレート用」「カールヘア用」「ふけ防止」など豊富な品揃えだ。
したがってシャンプーとリンスをセットで買ったと思ったのにシャンプーを二種類買っていたという悲劇を体験する羽目になる。
リンス・コンディショナーが少ないということはどういうことなのか?と疑問を抱き、友達に聞いてみた。
すると、驚いたことに若いその彼女はリンスなんて使ったことがないと言ってのける。
しかし「使ったことがない」と言い張るその髪はとてもきれいなのだ。
私は物心ついた時からシャンプーとリンスはセットだと思っていた。
リンスをしなくてもいいのはリンスinシャンプー「ちゃん・リン・シャン」のSOFT IN 1を使った時だけだと思っていた。
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「朝シャン」(朝にシャンプーすること)が大ブームとなった頃に思春期を迎えた私は、ブームに乗り遅れないように律儀に毎朝学校へ行く前に「朝シャン」をしていたものだ。
ところで、スペインでリンスをしないのはどこまで一般的なのか。
私の友だちが変わり者なのか否かを探るため、他の人にも聞いてみる。
私が知りうる範囲での調査の結果、男性陣はリンスをしないで一致した。
人によってはボディシャンプーで体、顔、髪すべて完結する人もいた。とても安上がりで羨ましい。
男性陣がリンスを使わないのなら、スーパーのシャンプーコーナーの比率の謎も解ける。人口の半分にリンスが必要ないのならシャンプーと同じ量のリンスを用意する必要はない。
では、女性陣はどうなのか?
子供時代は男性陣と同じくシャンプーのみ。リンスは大人になっても使わない人もいたが、一番多かったのはたまに使うパターン。毎回シャンプーの度にリンスをする人はあまりいなかった。ただ髪を染めだすと利用する頻度も上がるようで、髪が痛み出したら使うものと認識されているように感じた。
髪を染めるといえば、スペインで生まれつきの金髪の人は10~20%のみ。その中でも北欧の人の様な金髪はごくまれだ。街中にいる金髪の人々の大半は人工的に染めているのである。
そして大多数の人がくせっ毛だ。くせっ毛にも様々なレベルがあるがほんのりレベルから、スパイラルグルグルレベルまでバリエーション豊富。
生まれつき真っすぐな髪の人はあまりいないので、ストレートにしたい時は一生懸命ヘアアイロンでまっすぐ伸ばすのだ。
同僚が気合を入れてヘアアイロンでストレートにして出社した。
そしてその髪型は3日間変わらなかった。
他の同僚が美容院で髪を染めてきれいにセットしてもらった。
そして彼女も3日間髪型が変わらなかった。
「髪洗えよ」と思わず言いたくなったがそこはぐっと我慢。
「せっかくきれいにセットしたから洗うのがもったいない」と言うのが彼女たちの言い分だ。
多くのスペイン人は毎日髪を洗わないのは知っていたが、3日は長いと思うのは私だけだろうか?
しかし、3日間髪は洗わなくても毎日シャワーは浴びているらしいので汚いとも言い難い。
シャンプーの頻度は人それぞれ、リンスを使うかどうかも人それぞれだ。
一生懸命、朝シャンに励んでいた少女時代の私に教えてあげたい。
「あなたの髪は夜にシャンプーしたほうが癖が落ち着いてまとまりやすいのよ」と。