スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

ゴミ箱

日本とは違いスペインの歩道にはゴミを捨てていいゴミ箱(箱じゃないけど)がたくさんある。

日本も昔は外でゴミ箱をよく見かけたが、最近ではめっきり見かけない。

地下鉄サリン事件以降テロ対策の名目でゴミ箱が撤去されたようだ。

 

外にはゴミ箱がたくさんあるのにスペインでは家の中にゴミ箱がほとんどない。

日本は各部屋にゴミ箱があるくらいだと思うのだが、スペインではキッチンと浴室にしかない。リビングでゴミが出たらわざわざキッチンに捨てに行くのだ。

 

どうしてリビングにゴミ箱がないのだ?と質問したら、

「キッチンに行って捨てればいいでしょ?それに、ゴミ箱を部屋に置くなんて美しくないわ」とのこと。

確かにキッチンのゴミ箱も見える場所ではなく大抵シンクの下(すなわち棚のドアを開けないといけない)で見えないようになっている。

見せる収納ではなく見せない収納。

食器や調理器具などもなるべく棚に収納されている。

 

私はつねづねスペイン人はとてもきれい好きだと思っている。

毎日午前中に家中を履き掃除をし、モップ掛けする。

ベッドメイキングは小さなころからきっちり躾されているので皆ホテル並みにきっちり毎朝ベッドメイキングする。

スペインのベッドメイキングは独特で、(日本とスペインしか知らないのでもしかしたら世界の常識なのかもしれないが)マットレスのシーツとは別に上にかける布団の間にもシーツがある。

マットレスマットレスカバー、体、シーツ、掛け布団とこんな感じだ。

上のシーツで掛け布団の上の部分を包むようにセットする。

これにより体に密着するのがシーツのみになり、洗濯も簡単になる。

(この説明でわかってもらえただろうか?)

 

家に限らず、街中も意外と綺麗だ。

毎朝清掃車が水撒き掃除をしてゆく。水圧でゴミを集める(どかしていく)のだ。

早朝に掃除がある為、知らない頃はスペインは毎日朝方に雨が降るのだなと思い込んでいた。

 

ただ、水不足になると水撒きから風圧にチェンジする。

水圧と風圧。水がないから風を使う。

その発想は間違ってはいないとは思う。でもまったく正解でもない。

なぜなら、水不足と言うことは街中乾燥している。

そこに風圧でゴミを飛ばしてもただただ散らばるだけなのだ。

風があたった所だけ一時的にゴミが消えるが、本当に消えているわけではなく空中に舞っているだけなので時間が経つと元の位置に戻ってくる。

ゴーストバスターズのような見てくれも相まってなんとも間抜けな感じだ。

 

最近はカフェやバルなどもおしゃれになりすっかり綺麗な店内だが、一昔前のスペインのバルの床はゴミだらけだった。

床にゴミがたくさん落ちている=店が繁盛している証拠とみなされていたためだ。

口を拭いた紙ナプキンやパンの食べくず、えびの殻まで色々床に落ちている。

「灰皿下さい」と言うと、怪訝な顔で「床に捨てればいいだろう?」と返してくる。

店の床にタバコを捨てるなんて日本では考えられない行為だと思うのだが、あの頃のスペインでは日常の光景だった。

建物内での喫煙が禁止されたのでさすがに今は店内でポイ捨てはしないが、外では相変わらずだ。

 

しかし、スペインの道にあるゴミ箱にはご丁寧に灰皿がついている。

そしてなんと犬のウン○を捨てる用の袋が設置してある所もあるのだ。

 

嘘か誠か花の都パリの足元はウン○だらけと聞いたことがある。

「わたくしたち、ウン○なんて片付けませんわ」

と思っているかどうかは知らないが、飼い犬のウン○を片さない人がいるらしい。

それに比べるとマドリードではそれほど道に落ちてはいなかったように記憶している。

 

ウン○を捨てる用の袋が設置してあるゴミ箱があるとは言ったが、どこにでもあるわけではない。

運よく見つけても袋が既になくなっている場合もある。

ウン○袋はもちろんスーパーでも売っているが、ここにあるのは無料。ということで、このゴミ袋を見つけたときは二三枚多めに頂いておく。

もっと頂きたいのはやまやまだが他のワンコロの為にぐっとこらえる。

犬の散歩の時はもちろん自宅から袋を持って行くが、予想外に何度もする時もある。

人間の都合で「一回ですべて出し切って下さい」とは言えない。

 

ウン〇で思い出したが、(ゴミ箱の問題からウン〇問題にテーマが変わっているがご了承いただきたい)セビージャに住んでいた時に問題だったのは馬のウン〇だ。

 

セビージャのヒラルダの塔の前には観光客用の馬車がずらりと客待ちをしている。

そしてヒラルダの塔を起点にセビージャの町を闊歩する。

お馬さんは優雅な見た目に似合わず大量のウン〇をする。

そしてびっくりなことに何食わぬ顔で走りながらウン〇をするのだ。

したがって、町中色々な場所でウン〇に遭遇する。

 

抜けるような青空、オレンジの木、サンタクルスグアダルキビル川そしてお馬さんのウン〇。

これがセビージャの思い出だ。

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ゴミ袋付きゴミ箱