スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

日替わり定食 Meñu del día

スペインでは大抵のレストランでお昼の日替わり定食(Meñu del día)を出している。

 

一般的な大衆食堂の日替わり定食の内容は、

飲み物 ワイン、ビール、コーラ、水など

一皿目 サラダ、スープなどなど

二皿目 メインの肉料理または魚料理

デザートまたはコーヒー

 

ランチにお酒が飲めるところがスペインだ。体質的にアルコールに強いのか一杯ぐらいでは仕事に支障が出ないらしい。(とは言っても私の同僚は普通の時はお酒を頼んだりはしてなかったけど)

ビールとコーラが同額だったり水とワインが同じ土俵にいる。日本に比べるとびっくりするほどお酒の値段が安い。

 

一皿目は前菜と思われがちだがそうでもない。なぜならパエージャやパスタなどもこの一皿目の選択枠に入るからだ。私の感覚だとパエージャやパスタはメイン級。この後に肉料理が出てくるなんてありえないと思っていた。

ただ、定食の一皿目に出てくるパエージャは日本でよく見る専用のパエージャ鍋でジャジャーンと出てくるものではなく、一皿分取り分けられているカジュアルなパエージャだ。

 

一皿目に頼みがちなサラダだが、スペインでサラダに期待してはいけない。

レタスにトマトなどがただお皿に盛られてやってくる。味付けはテーブルにある塩とオリーブオイルとビネガーでお好きにどうぞ!のスタイルだ。

「トマトサラダ」とうたって出てきたのはただ切ったトマトだけというのも見たことがある。これはもう「トマトサラダ」ではなくただの「トマト」だ。

「グリンピース」と書いてあった一皿はお皿一杯に炒めたグリンピースが出てきた。ほんの気持ちハムが入っていたけど、こんなに大量のグリンピースを一度で食べたことがない。

 

二皿目は肉料理か魚料理。だいたい焼いたり揚げたもの。添え物にポテトが付くことが多い。ボリュームたっぷりだ。

 

因みに一皿目から二種類頼むこともできる。例えばメインをやめて一皿目の選択枠にあるスープとパエージャにすることは可能だ。しかし、二皿目の選択枠から二種類オーダーすることはできない。

 

昔ながらのレストランで日替わり定食を食べ満足した食後、デザートで悩んだ。

メニューには、プリン アイス リンゴ バナナと表記されていた。

「リンゴ」とはなんだろう?アップルパイってことかしら?

「リンゴ」のデザートにわくわくしていた私の目の前にウエーターが置いたのは丸ごと一個のリンゴ。

皮のついたままのそのままのリンゴが一つ、真っ白いお皿の中央にデーン!と鎮座していた。

生まれて初めての斬新な経験。

レストランのデザートなのに切ってもいない。ナイフが一緒に来たのできっとこのナイフを使ってご自分でお好きに切ってね!ってことなんだとは思うのだが、それにしてもびっくりした。こんなことならバナナの方がましだったと一人で後悔しながらもくもくとリンゴの皮をむいたあの日を私は忘れない。