スペインに惚れました

10年暮らした愛しのスペイン私の独断と偏見に満ちた西方見聞録

出会った人々

揺れる床

日本でスペインでの生活などを友達に話す時、口にするのが恥ずかしくなる単語がある。「Discotecaディスコテカ」だ。 「ディスコ」の響きがやけに古めかしく、気恥ずかしさがこみ上げる。 40歳を過ぎた私ですら音楽に合わせて踊る場所というものはもう既に「…

姑という名の魔女

結婚には至らなかったので厳密には姑と呼べないが、それらしい人物が私の人生でも登場したことがある。 スペイン人の彼のお母さんだ。一般的にスペイン男性はマザコンだと有名だが、私の彼も例外に漏れずマザコンだった。そして彼のお母さんは私にとって最強…

愛しのSobrinos

私には勝手に姪だ甥だと思い込んでかわいがっている友達の子供がいる。 因みにスペイン語で姪はsobrinaソブリーナ、甥はsobrinoソブリーノだ。 姪っ子たちの母親とは姪っ子たちが生まれる前からのスペインでの友人だ。知り合った当時私たちの関係は上司と部…

トイレットペーパー

私がスペインで付き合っていた彼は買い物の時当たり前のように荷物を持ってくれた。スーパーに買い出しに行くときは必ず一緒に行き、重いもの持つ係として重宝した。 しかし、一つだけ持ってくれないものがあった。 それは「トイレットペーパー」だ。 これだ…

バス

10年スペインで暮らしたが、実現できなかった憧れがいくつかある。 その一つが「市内バスの運転席の横で運転手と世間話をする」である。 スペインで暮らした人ならわかると思うのだが、スペインのバスではよく運転手と乗客がおしゃべりしていることがある。 …

ケチャップ

ある日友だちが彼氏とケンカをしたといって我が家へやってきた。 予定では彼女はその日、彼の家で手料理を振る舞うはずだった。 料理を作る約束をしたものの、料理が苦手な彼女。 日本のお母さんに相談した結果、簡単に作れる「エビチリ」レシピを教えてもら…

タトゥー

アルファベットを使う国の人達にとって漢字はミステリアスで魅惑的な文字の一つとして人気がある。 それゆえ漢字のタトゥーやTシャツなど懐かしい母国の文字をスペインの街角で思いがけず見かけることがあるのだが、デザインだと思っているので何と書かれて…

エレーナ

セビージャで語学学校に通っていた時、エレーナというアルゼンチンの女性と二人暮らしをしていた。 語学学校経由で契約した家だったのでシェアハウスというより、どちらかというと居候に近い立場だった。 居候なので、エレーナのルールに従わなくてはならな…

フィリピン人

アンダルシアにいた頃にはめったに見なかったが、マドリードではたくさんのフィリピン人が暮らしていた。 私はマドリードで一年日本食レストランで働いたのだが、同僚の半分以上がフィリピン人だった。家族や親戚などを頼ってスペインに移住するパターンが多…